本研究では、巨大地震に対する緊急地震速報の精度を向上させ、より早く正確に地震動を予測するシステム開発を行った。同時多発地震の適切に分離するアルゴリズム(IPF法)を適用することにより、2016年熊本地震の本震・余震ともに緊急地震速報のパフォーマンスが向上することが分かった。また、P波検知を正確に行う新しいアルゴリズム(kurtosis法)の精度検証と実用化への改良を行った。kurtosis法は既往の手法よりも平均0.12秒早くP波を検知できた。しかしながら、波形の変化に敏感なのでノイズによって誤トリガしてしまうことがあり、ノイズを識別するフィルターを導入することが実用化への鍵となる。
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