本研究課題では、同位体領域気候モデルを用いて、日本域における降水や水蒸気の起源を推定した。モデルと観測値とを比較したところ、モデルは日本における降水の同位体比の季節変動と空間分布を良く再現しており、現実に近い大気水循環場を再現していることが示唆された。夏において解析したところ、水蒸気d-excessは梅雨前線の進行に伴う大気安定度の指標となる可能性が見出された。冬については、日本海側における降水のd-excessは冬季モンスーンの強度や日本海からの寄与率を反映しており、降水のd-excessから逆算できる可能性が見出された。
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