研究課題
建物が倒壊する災害現場では携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントといったインフラもダメージを受け、無線端末を持っていても連絡を取り合う手段として使えない。そのため、災害現場で基地局なしに簡単に構築できる臨時ネットワークシステムの開発が行われてきた。従来のシステムでは専用端末を用いるため災害対策基地にそれらを備蓄する必要があったが、申請者が開発したシステムは、一般的なノートパソコンを中のシステムに影響を与えずに臨時ネットワークシステム用の端末として使えるようにするものであり備蓄が容易になった。本研究は、広く普及したスマートフォンやタブレットを簡単に接続できる災害救助用の臨時アドホックネットワークシステムを提供することを目的とするものである。スマートフォンやタブレットを簡単に接続できる災害救助用の臨時アドホックネットワークシステムの構築のためには、1) 情報共有アプリケーションの開発 2) ハードウエア面の接続端末の利便性向上 3) ソフトウエア面の接続端末の利便性向上が必要となる。平成29年度は、実際にサーバを構築し、スマートフォンに標準で搭載されているブラウザだけで使えるシステムを構築した。すなわち、スマートフォンへのアプリケーションの追加インストールなしで使えるシステムであり災害時のオフライン環境でも使えるようになった。また、そのシステムの評価を行うため、シミュレータを作成し、大学周辺の実環境をモデル化した状況での情報の広がりや更新具合の確認を行った。これらにより、災害時のインフラレス環境下において、被災者が持っているスマートフォンだけで情報共有できるシステムの構築が可能になった。これが、本科研費による研究成果である。
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龍谷理工ジャーナル
巻: No.74 Vol. 30-1 ページ: 33,38