間葉系幹細胞は、骨髄や脂肪から比較的容易に採取できることから急速に臨床応用が進んでいる。しかしながら本細胞はヘテロな混合細胞集団であり、その性状解析が非常に遅れていることが再生医療技術の進展を阻む問題となっていた。そこで本研究は、脂肪組織由来間質細胞の1細胞遺伝子発現解析を行い、ヘテロ細胞集団に存在する間葉系幹細胞の種類および性状を解析した。その結果、間葉系幹細胞は2つのクラスターに分かれ、一方の細胞は成長因子の発現で特徴付けられるのに対し、もう一方は細胞外分泌因子の発現が顕著であることが示された。以上の結果から、脂肪組織には2種類の性質が異なる間葉系幹細胞が存在することが示された。
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