生体内病因物質を捕捉し,異所代謝経路へ誘導するDrug-navigated clearance systemでは,捕捉と誘導の両機能を示す「ナビゲーター」の合成を要する.本研究では,透析アミロイドーシスの病因であるβ2ミクログロブリン(β2MG)を肝臓へと誘導するナビゲーターの開発に取り組んだ.キメラタンパク技術により作製したナビゲーターは,In vitroで,β2MG捕捉能,肝細胞結合能及び肝細胞培地中のβ2MG除去能を示した.これより,in vitroでの病因物質の代謝経路のスイッチングが明らかとなった.一方,in vivoでのナビゲーターの機能は不十分であり,改善が望まれる結果となった.
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