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2016 年度 実施状況報告書

仮想孔の概念を用いた胸腔鏡手術支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K16338
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

堀瀬 友貴  東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (70749233)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード仮想孔 / 胸腔鏡 / 内視鏡手術
研究実績の概要

本研究では、挿入孔の数を仮想的に増やすことができる仮想孔の概念を用いて、胸腔鏡手術を対象とした新しい手術支援システムの開発を目的としている。本システムにより、これまで肋骨によって制限されていた孔の位置が医師の意図通りに設けることができ、操作範囲の拡大や医師の負担軽減、整容性の向上が期待できる。
平成28年度の研究計画として、平成27年度に引き続き(1)胸壁面で対称的に屈曲する湾曲部の開発と(2)通常の手術器具と同じ5自由度を実現する体内・体外器具の開発を目標として掲げていた。平成28年度では、提案システムのデザイン設計を行うに当たり、継続して臨床現場で胸腔鏡手術を見学し、手術中の医師の立ち位置や動作、器具の利用頻度などについて観察し、実際に現場で求められているシステムについて考えることができた。これまでの研究ではマスタ・スレーブ方式のシステムを開発し、スレーブでモータを用いていたが、生体内での利用は感電の可能性があり、また制御プログラムのバグ等による予期しない動作など不安要素があるため、本提案システムではシンプルで利用が容易なデバイスを目指し、プロトタイプ作成を進めている。他施設での胸腔鏡手術に関する情報を集めるため第29回日本小切開・鏡視外科学会にも参加し、最新の胸腔鏡手術の現状や今後適用の可能性がある他の内視鏡手術についても調査を行った。
また、本提案システムの核となる仮想孔の概念については、概念の内容や単孔式内視鏡手術を対象としたマスタ・スレーブロボットシステムへの適用例とその効果についてまとめ、Surgical Robotics(出版社InTech)のBook chapterに投稿しアクセプトされた。レビュアーからの評価コメントも高く、本概念の注目度についても再確認することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

プロトタイプ開発では、昨年に引き続き臨床現場見学や研究調査を行ったことで、実際に現場で求められているシステムについて仕様を決めることができた。また本提案システムの核となる仮想孔の概念についてまとめ、Book chapterとしてアクセプトされ掲載予定である。今後、仮想孔の概念を活かしたプロトタイプを早急に作成し、システム評価に向けて開発・改良を進めていく。

今後の研究の推進方策

平成29年度からはデザインしたプロトタイプを作成し、臨床現場の呼吸器外科医からフィードバックをもらいながら開発・改良を進めていく。また、開発したプロトタイプの評価を行い国内外の学会への参加や論文執筆・投稿を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

平成28年度はプロトタイプ開発を本格的にスタートする予定であったが、昨年に引き続き臨床現場見学や学会等で情報収集を行い、考案システムがどのように現場で利用可能であるか検討を行った。平成28年度はシステム開発で重要である提案システムの利用可能性について確認を行ったため次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

平成29年度ではプロトタイプの作成から評価までを行うため、システム開発や評価用の費用(材料や加工代等)として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 先端工学外科(FATS)の最新プロジェクト2017

    • 著者名/発表者名
      田村 学,生田 聡子,岡本 淳,吉光 喜太郎,小西 良幸,前田 真法,仁木 千晴,Chernov Mikhail,岸本 眞治,堀瀬 友貴,丸山 隆志,伊関 洋,正宗 賢,村垣 善浩
    • 雑誌名

      未来医学誌

      巻: 30 ページ: 84-98

  • [図書] Surgical Robotics2017

    • 著者名/発表者名
      Yuki Horise, Atsushi Nishikawa, Toshikazu Kawai, Ken Masamune, Yoshihiro Muragaki
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      INTECH

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公開日: 2018-01-16  

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