本研究では,放射線照射により惹起される皮膚損傷や関節可動域制限,リンパ管の異形成に対するリハビリテーション(超音波療法)の効果について,ラット後肢の放射線皮膚障害モデルを用いて検証した。その結果,放射線照射後14日目頃より皮膚の損傷や関節可動域制限が重度化したが,超音波療法によりこれらは有意に改善した。また,リンパ管新生も超音波療法により増加する傾向がみられた。以上のことから,急性期の放射線皮膚障害に対する補助療法としての超音波療法の可能性が考えられた。今後は,超音波療法のエビデンスを構築するために,より長期的な形態変化と分子発現について調査していくことが課題となる。
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