研究課題/領域番号 |
15K16348
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹内 直行 東北大学, 大学病院, 講師 (10374498)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 教育 / 学習 / 脳刺激 |
研究実績の概要 |
本研究は振動性脳刺激を用いることで他者間の社会性機能を向上させ、教育・学習の促進および新たなリハビリテーション手法の開発を行うことを目的としている。社会性タスク時に他者間に共通する脳領域および他者間脳活動シンクロリズムを解明することを目的に、教える者-学ぶ者の2人ペアにて教育-学習タスクを行い、脳活動を2人同時に計測することで教育-学習タスクに関連する脳領域部位および他者間の脳活動の解析を行った。教師役がヒントを教示する必要があり両者の協力動作が要求される課題を用い、また計測前にタスクに関連した確認テストを行うことで学習者が実施可能な最適難易度レベルに調整を行った。脳活動測定は行動制限の必要が少ないウェアラブル光トポグラフィ装置を用い学習に関連する報告が多い前頭前野を中心に脳活動計測を行った。その結果から受け手がタスク内容を理解できたという心の理論と、自分が上手に教えることができたというメタ認知の差は前頭前野脳活動と有意な相関を認めることが分かった。また社会脳タスクに用いる仮想現実環境下の副作用対策のために仮想現実酔いに対する脳刺激手法の検討を行い、最適な刺激部位・刺激方法を見つけることに成功し現在特許を出願中である。さらに、身体性神経基盤に関連する前頭‐頭頂葉に振動性脳刺激を投与し刺激前後の身体感覚の評価を行い、刺激リズムを同期させる方法と同期させない方法を比較検討し模倣を促進させる最適な刺激パターンを検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の軸となる模倣促進の研究を進めている。身体性基盤に重要な前頭-頭頂葉の機能結合を評価するため振動性脳刺激を投与し運動錯覚の変化を検討中である。また図形課題を含む様々な教育学習課題を行い他者間脳活動変化の結果を現在解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
教育・学習タスクに限らず、動作を模倣している間の他者間脳活動の評価を試みる。さらにミラーニューロンシステムに関与している前頭-頭頂葉への脳刺激にて模倣行動が変化するか検討を行う。模倣行動を促進させる刺激パターンを見つけ出し、他者間相互作用の促進に応用する予定である。送り手の脳活動の解明が進んできたが、図形課題を含む様々な教育学習課題を行い他者間脳活動変化の結果を解析し受け手役を中心とした脳活動の解明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験を実施するために購入を予定していた高価な機器を使用しなくても、既存の安価な代用品で実験遂行ができたため、余剰金が発生した。
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