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2016 年度 実施状況報告書

二段階口蓋形成法における早期硬口蓋閉鎖の有用性:音声言語と音響特性による言語成績

研究課題

研究課題/領域番号 15K16352
研究機関新潟大学

研究代表者

大湊 麗  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (90648289)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード口唇裂口蓋裂 / 二段階口蓋形成手術法 / 言語成績
研究実績の概要

口唇裂口蓋裂の治療において,当科では1983年より二段階口蓋形成手術法を施行している。二段階口蓋形成手術法は良好な顎発育とともに良好な言語機能獲得を目指した治療体系であり,軟口蓋形成術および硬口蓋閉鎖術の時期や段階,方法,連続性の課題をめぐって議論は絶えない。とりわけ,硬口蓋閉鎖術をいつ行うか,欧米ではEarly hard palate closureかLate hard palate closureか,特に着目されてきた。すなわち,硬口蓋閉鎖時期が遅いほど良好な顎発育が維持できる一方,言語機能獲得には否定的な影響が懸念されたことによる。当科ではこの課題を可及的に解決すべく,顎発育による分析から,2010年より硬口蓋閉鎖時期を5歳半から4歳へ早期移行した。本研究では,言語機能による分析から,硬口蓋閉鎖時期の5歳半から4歳への早期移行が4歳時から6歳時における言語機能獲得に与える影響を検討し,当科の二段階口蓋形成手術法における硬口蓋閉鎖時期の妥当性について考察した。対象は二段階口蓋形成手術法における硬口蓋閉鎖時期を4歳で施行した症例,片側性唇顎口蓋裂24例とし,比較対照は硬口蓋閉鎖術を5歳半で施行した症例,片側性唇顎口蓋裂60例とした。言語機能は4歳時から6歳時における鼻咽腔閉鎖機能および構音を調査した。鼻咽腔閉鎖機能は口蓋裂言語検査を参考に4段階で判定し,構音は新版構音検査を参考に異常構音の有無,種別および子音数で判定した。統計処理はカイ二乗検定およびt検定を用い,有意水準は5%とした。その結果,5歳時において,鼻咽腔閉鎖機能では良好判定の有意な増加および異常構音の種別では口蓋化構音の有意な減少が示され,言語機能獲得に肯定的な影響が示された。したがって,顎発育および言語機能による両者の分析を統合すると,硬口蓋閉鎖時期の適期は4歳であるとした当科の見解の妥当性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度の計画はおおむね終了し,次年度の計画を進行中である。

今後の研究の推進方策

症例数を増やし,より長期的に経年的調査を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

データ管理等設備を購入予定であったが,次年度に見送ったため。

次年度使用額の使用計画

次年度に購入予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 粘膜下口蓋裂の臨床統計的検討-第2報:言語成績-2016

    • 著者名/発表者名
      大湊麗,小林孝憲,児玉泰光,小山貴寛,五十嵐友樹,飯田明彦,小野和宏,永田昌毅,高木律男
    • 雑誌名

      日本口蓋裂学会雑誌

      巻: 41 ページ: 173-180

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 二段階口蓋形成手術法における硬口蓋閉鎖時期の検討-ナゾメーターによる分析-2017

    • 著者名/発表者名
      大湊麗,小野和宏,飯田明彦,児玉泰光,小山貴寛,永田昌毅,高木律男
    • 学会等名
      第41回日本口蓋裂学会
    • 発表場所
      ホテルオークラ東京(東京都港区)
    • 年月日
      2017-05-18 – 2017-05-19
  • [学会発表] 長期結果からみた各チーム医療の現状と展望:口蓋形成2回法(言語分野)2017

    • 著者名/発表者名
      大湊麗,高木律男
    • 学会等名
      第41回日本口蓋裂学会
    • 発表場所
      ホテルオークラ東京(東京都港区)
    • 年月日
      2017-05-18 – 2017-05-19
    • 招待講演
  • [学会発表] 二段階口蓋形成手術法における硬口蓋閉鎖時期の検討-言語機能による分析-2016

    • 著者名/発表者名
      大湊麗,小野和宏,児玉泰光,小山貴寛,五十嵐友樹,小林孝憲,飯田明彦,永田昌毅,高木律男
    • 学会等名
      第49回新潟歯学会
    • 発表場所
      新潟大学(新潟市中央区)
    • 年月日
      2016-07-09
  • [学会発表] 二段階口蓋形成手術法における硬口蓋閉鎖時期の検討-言語機能による分析-2016

    • 著者名/発表者名
      大湊麗,小野和宏,児玉泰光,小山貴寛,五十嵐友樹,小林孝憲,飯田明彦,永田昌毅,高木律男
    • 学会等名
      第40回日本口蓋裂学会
    • 発表場所
      ナレッジキャピタル(大阪市北区)
    • 年月日
      2016-05-26 – 2016-05-27

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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