新潟大学顎顔面口腔外科では、1983年より二段階口蓋形成手術法を施行しており、顎発育による分析から、2010年より硬口蓋閉鎖時期を5歳半から4歳へ早期移行した。本研究では、言語機能による分析から、硬口蓋閉鎖時期の5歳半から4歳への早期移行が4歳時から6歳時における言語機能獲得に与える影響を検討した。その結果、5歳時において、鼻咽腔閉鎖機能では良好例の有意な増加、異常構音の種別では口蓋化構音の有意な減少、音響特性による検討では聴覚的な臨床データと整合する結果が示され、言語機能獲得に肯定的な影響が明らかとなった。以上より、顎発育を考慮すると、硬口蓋閉鎖時期の妥当性が示された。
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