現行の人工網膜では眼鏡枠に固定されたカメラから画像取得を行っているため、眼球運動で視線を変えても見える映像が変わらない。そこで、眼球運動応じて視線方向に一致した映像を人工網膜で呈示する「視線方向フィードバック機構」を取り入れれば、上記の問題を解決できるかもしれないと考えた。まず人工網膜シミュレータを用いて、視線方向フィードバック機構の有効性を示した。次に視線方向フィードバック機構を組み入れた人工網膜の試作機の性能評価を実施したところ、遅延時間等の問題点が明らかとなった。この問題を解決するために、人工網膜で生じる皮膚電位の変化を利用した新規視線解析方法を考案した。
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