本研究テーマは、慢性疼痛患者における自己身体認知とその他症状の関連を調べること、およびその身体認知を変容させる手法を開発することを目的とした。慢性の口腔顔面痛を有する患者を対象に、自身の舌のサイズ認知と、痛み、うつ、不安、破局的思考の間に関連が認められるかを調査した。コントロール群としては、同年代の健常者とした。結果、自己身体認知(舌のサイズ認知)は、健常者においてその他のパラメータと関連を認めなかったが、慢性口腔顔面痛患者においては、破局的思考の下位項目である拡大視と有意な負の相関関係を認めた。このことは、慢性疼痛患者における身体認知は、破局的思考と関連があることを示唆している。
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