本研究では、第一に糖尿病(DM)を合併した廃用性筋萎縮に対する温熱刺激(HS)と低強度運動の併用効果をDMモデルラットの腓腹筋を対象に検証した。結果、DM状態でもHSと低強度運動の併用はそれらを単独で負荷するよりも廃用性筋萎縮の進行抑制効果が高く、治療戦略として有用であることが示唆された。 第二に大腿骨近位部骨折術後患者を対象に、HSを併用した理学療法(PT)プログラムの効果を検証した。結果、HSを通常のPTプログラムに併用した場合の膝関節伸展筋力、身体パフォーマンス、ADLの改善状況は通常のPTプログラムのみを行った場合と有意差を認めず、HSの方法についてさらなる検討が必要と考えられた。
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