研究課題/領域番号 |
15K16366
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
櫻田 武 自治医科大学, 医学部, ポストドクター (40588802)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脳卒中 / リハビリテーション / 片麻痺 |
研究実績の概要 |
最適な注意の向け方に関する個人差と運動学習の枠組みを運動機能障害者のリハビリテーションへ応用することを目指す.特に,運動中の注意の向け方として,身体内部情報あるいは身体外部情報のどちらに注意を向けるべきかを適切に判断することを目指す.具体的には,脳卒中患者を対象とし,質問紙や近赤外光計測によって認知機能個人差を抽出する.さらに,注意の向け方に依存した運動パフォーマンスにより,認知機能の個人差がリハビリテーション効果へ与える影響を解明する.本年度は,運動パフォーマンスおよび運動実施時の脳活動を計測するためのシステム構築,健常者・脳卒中患者を対象とした心理物理実験課題における運動パフォーマンス評価を中心に実施した. さらに,最適な注意の向け方に関与する神経基盤を明らかとするため,近赤外光計測により前頭前野ならびに後部頭頂葉の活動を評価する予備実験を開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は運動パフォーマンスおよび運動実施時の脳活動を計測するためのシステム構築,健常者・脳卒中患者を対象とした心理物理実験課題における運動パフォーマンス評価を中心に実施した.脳卒中患者をリクルートする体制も整えられ,病棟において課題を実施することで運動パフォーマンスを評価した.さらに,近赤外光計測により,最適な注意の向け方の個人差に関与する脳部位を探索的に同定することを試みている.
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今後の研究の推進方策 |
健常者ならびに脳卒中患者を対象として近赤外光計測のデータを増やしていく予定である.さらに,注意の向け方の個人差がリハビリテーション効果への影響を検証するため,脳卒中患者を対象として,中長期的な運動訓練とパフォーマンスの推移を評価していく予定である.このため,プログラムの実装などの準備を現在行っている.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初運動計測にモーションキャプチャを想定していたが,患者への適用の際にはタブレットでの計測のほうがよりよいことが判明し,当初の請求金額よりもシステム構築が安価で可能となったため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
差額についてはこれから実施する実験のための参加者謝金,英文校正費用および学会参加のための旅費に充てる予定である.
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