研究課題/領域番号 |
15K16367
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
上野 明日香 (栗原) 獨協医科大学, 医学部, 助教 (50725546)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 心臓リハビリテーション / 運動耐容能 |
研究実績の概要 |
洞調律でかつ最高酸素摂取量16ml/kg/min 以下で心臓リハビリテーションを行う慢性心不全患者を対象に、ホルター心電図で計測したT波オルタナンスとLF/HFが、3ヶ月間の運動療法後の運動耐容能に与える影響を検討する前向きコホート研究を施行している。現時点で11例を登録し追跡している。11例中、4例がリハビリテーション3ヶ月後の2回目の心肺運動負荷試験終了し、いずれも、基礎値と比較して運動耐容能は改善した。 心臓突然死の予後指標とされているT波オルタナンスは3例で陽性で、いずれも基礎心疾患が虚血性心疾患であった。交感神経活性の指標であるLF/HFは2例で1以上だった。 今後登録を継続して統計学的な検討を行い、運動耐容能と、心臓突然死・致死性不整脈と相関する指標との相関を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
登録者数が少ない。運動療法初回導入の慢性心不全患者のうち、初回の心肺運動負荷試験での最高酸素摂取量16ml/kg/min 以下でかつ洞調律が本研究のエントリー条件であるが、基準値以上に運動耐容能が維持されている患者や慢性心房細動の患者が含まれており、登録者数が伸び悩んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ひきつづき患者登録を継続し、フォローアップのデータ集積と解析を行う。 運動耐容能の改善を阻害する因子の臨床背景や心肺運動負荷試験(CPX)をはじめとする各種検査、身長・体重(BMI)、大腿周囲径や大腿四頭筋厚、大腿四頭筋伸展力、携帯型心電図におけるLF/HF、T波オルタナンス測定、アンケートADL評価(METs換算)ならびに社会的背景調査で得られた各パラメーターを単変量解析で比較した後で多変量解析を行い、運動療法効果の独立した規定因子を探索する。運動耐容能の改善した群と改善しなかった群 それぞれの心血管イベントフリー生存曲線をKaplan-Meier 法を用いて推定し、その差をLog-rank 検定を用いて検定する。交絡因子を調整したCOX比例ハザード分析でも解析を実施する。データの解析は、統計ソフトJMPを用いて行う。心臓リハビリテーション学会発表および英語論文投稿をもって、成果を報告する予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より消耗品などの物品費が少なかったため
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次年度使用額の使用計画 |
データベースの構築費用(約90万円)、データの統計・解析ソフト(25万円)、学会発表のための旅費(栃木-東京 往復約1万5千円×3)、事務消耗品(30万円)
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