研究課題
洞調律でかつ最高酸素摂取量16ml/kg/min以下で心臓リハビリテーションを行う慢性心不全患者を対象に、ホルター心電図で計測したT波オルタナンスとLF/HFが、3か月間の運動療法後の運動耐容能に与える影響を検討する前向きコホート研究を施行している。現時点で13例を登録し、追跡中である。今後登録を継続し、運動耐容能と心臓突然死の予後指標とされているT波オルタナンス、交感神経活性の指標であるLH/HFの相関について統計学的検討を行う。
4: 遅れている
育児休暇復帰後、対象患者のエントリーを再開したが、登録患者数が少ない。エントリー対象は運動療法初回導入の慢性心不全患者のうち、初回の心肺運動負荷試験での最高酸素摂取量16ml/kg/min以下かつ洞調律で、導入後も外来心臓リハビリプログラムを継続可能な患者だが、運動耐容能の維持された患者や慢性心房細動患者が少なくないことと、外来リハビリ継続の条件を満たす患者が少なかったことにより、登録者数が伸び悩んでいる。
引き続き患者登録を継続し、データ集積と解析を行う。運動耐容能の改善を阻害する因子の臨床背景や心肺運動負荷試験(CPX)をはじめとする各種検査、身長・体重(BMI)、大腿周囲径や大腿四頭筋厚、大腿四頭筋伸展力、携帯型心電図におけるLF/HF,T波オルタナンス測定、アンケートADL評価(METs換算)ならびに社会的背景調査で得られた各パラメーターを単変量解析で比較した後で多変量解析を行い、運動療法効果の独立した規定因子を探索する。運動耐容能の改善した群と改善しなかった群それぞれの心血管イベントフリー生存曲線をKaplan-Meier法を用いて推定し、その差をLog-rank検定を用いて検定する。交絡因子を調整したCOX比例ハザード分析でも解析を実施する。データの解析は、統計ソフトJMPを用いて行う。心臓リハビリテーション学会発表および英語論文投稿をもって、成果を報告する予定である。
育休からの復帰すぐであり、学会等への参加を控えていたため旅費を使用しなかった。また、研究計画において評価方法を再検討したところ、自律神経機能評価のために「きりつ名人」を用いることが、当該研究の効率的な遂行のために必要であり、購入する予定である。
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Total Rehabilitation Research
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理学療法とちぎ
Journal of Cardiology Cases
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日本心臓リハビリテーション学会誌
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