研究課題
慢性心不全に対する運動療法を含めた包括的心臓リハビリテーションにおいて、運動耐容能の改善の乏しい例や新規心血管イベント発生例(non-Responder)の背景因子を探索し、効果的なリハビリテーション介入ポイントを解明し、ホルター心電図でのT波オルタナンス(TWA)と心拍変動解析(交感神経活性と相関するLF/HFの評価)が運動療法の運動耐容能改善効果に与える影響を検討した。エントリー数30例中、解析可能だった18例について検討をおこなった(responder 10例、non-responder 8例)。 各パラメータ-の単変量解析では、responderでPADが有意に多い結果となり(p値=0.0454)、また統計学的有意差はなかったが大腿四頭筋伸展力が、運動療法介入後から3か月、6か月にかけて増大する傾向がみられた。ホルター心電図でのTWA、LF/HFについては、有意差はなかったが、初回peakVO2と夜間のLF/HFの間には正の相関の傾向がみられた。TWA陽性患者が1名のみであり、TWAに関する統計学的評価は困難だった。今回の研究ではエントリー数、解析可能なn数がともに少なく、当初の目的の達成に至る結論を得られなかった。しかし、慢性心不全と心臓リハビリテーション(運動療法)、運動耐容能、予後、交感神経活性等については関連が示唆されており、今後も本研究を継続し、十分な母集団での解析と検討を行う計画である。
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トータルリハビリテーションリサーチ
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https://doi.org/10.20744/trr.6.0_22
Total Rehabilitation Research
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