研究課題/領域番号 |
15K16369
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
門馬 博 杏林大学, 保健学部, 助教 (60583680)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 脊髄運動ニューロン / 運動イメージ / 運動イメージ能力 |
研究実績の概要 |
平成28年度からの実験開始に先立ち,杏林大学保健学部倫理委員会を受審し,研究内容に関し倫理委員会の承認を得た. 健常者6名を対象として,手の心的回転課題(角度8条件,左右2条件,提示面2条件,各3回ずつ)96試行に対する正答率,反応時間を計測.F波は正中神経に対する最大上刺激を用いて,短母指外転筋より安静時,運動イメージ想起時の2条件で導出した.結果,F波における振幅(F/M)は安静時に比べ運動イメージ想起により有意に増大したが,潜時には差が認められなかった.また,手の心的回転課題における正答率,反応時間とF波振幅の間に相関関係は認められなかった. 先行研究において,経頭蓋磁気刺激を用いた大脳皮質の興奮性の変化では,運動イメージ想起による振幅の増大割合と運動イメージ能力の間に相関関係が認められたとされている.本研究では運動イメージにより脊髄運動ニューロンの興奮性を示すF波に変化が認められたが,運動イメージ能力の指標とされる手の心的回転課題の評価結果との間に相関関係は認められなかった.運動イメージは大脳皮質運動関連領野の興奮性を変化させることから,運動学習にもつながりうると考えられるが,脊髄運動ニューロンへの影響は大脳皮質に比較して小さいのではないかと推測された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り健常者を対象とした実験を進めており,その成果を国際学会にて報告する予定となっている.
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中片麻痺患者を対象とした研究の準備を進め,実験を行い研究成果をまとめ公表する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
電極等消耗品の使用量が予定を下回ったため.また,学会発表の時期が予定より遅れ次年度となったため.
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次年度使用額の使用計画 |
計画に沿って実験に関わる消耗品,国内・国際学会への公表,論文公表に伴う英文校正などに使用する予定である.
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