研究課題/領域番号 |
15K16371
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
原 貴敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40619889)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激療法 / fNIRS / SPECT / 失語症 / 高次脳機能障害 |
研究実績の概要 |
1.慢性期脳卒中後失語症患者を対象としたfNIRSを用いた選択的rTMS療法と集中的言語療法の併用療法の効果と、右大脳半球が賦活している症例に対する右大脳半球高頻度rTMSと集中的言語療法の効果を検証した。慢性期脳卒中後失語症で右利き患者8人を対象とした。介入前の言語タスクを用いたfNIRSにより、左大脳半球が賦活している群と右大脳半球が賦活している群に分類された。左大脳半球が賦活している群には、RtIFGに対する1Hz-rTMS(LFS Group)を、右大脳半球が賦活している群には、Rt IFGに対する10Hz(HFS Group)を採用した。介入前後での言語機能評価では、LFS Group、HFS Groupともに、SLTA totalで有意な改善を示していた。またLFS GroupとHFS Groupの介入前後の変化値に有意差は認めなかった。介入前後の画像変化では、LFS Groupでは半球間抑制のアンバランスの解消が、HFS Groupでは、磁気刺激側半球の賦活が認められた。 2.fMRIによる選択的rTMSと集中的言語療法を、最低6ヶ月の期間を空けて、複数回実施した症例を経験した。rTMSと集中的言語療法実施後に再度fMRIを実施すると、言語賦活野が移動している症例が散見されている。そのため、これらの症例についてSPECTを用いて、脳機能画像の解析を行っていく予定である。 3.頭部外傷後もしくは脳卒中後に生じる高次脳機能障害は多彩な症状を呈することが多く、患者により注意障害、記憶障害、遂行機能障害などを併存することが多い。そのため、これらの症状の改善を目的に、症状・神経心理検査の結果・改善を必要とする症状・画像的見地の側面から、rTMSの実施部位の選択とその症例に適したリハビリテーションプログラムを行うことを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
失語症に対するfNIRSを用いた選択的rTMSの方法は有効であることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
その他の画像的見地からの失語症へのアプローチや、rTMSを実施した失語症患者の経時的変化を検討する。加えて、高次脳機能障害患者に対する画像的見地からのrTMSの方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況は順調であり、国内外での発表を積極的に行っていく
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次年度使用額の使用計画 |
海外での発表 投稿論文の作成
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