研究課題/領域番号 |
15K16378
|
研究機関 | 大阪保健医療大学 |
研究代表者 |
木村 晃大 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 特任講師 (30709811)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 二肢強制選択課題 / ラット / 脳定位固定装置 / 神経活動記録 |
研究実績の概要 |
脳卒中後6ヶ月を過ぎて残る完全麻痺や連合反応はリハビリによる改善が難しい事が知られている。本研究課題は、この状況を打破するべく動物実験を通して治療法を検討する物だが、初年度はラットに課題を行わせて行動を評価する為の実験セットを作成した。この実験セットではラットにレバーを引かせる事で選択課題を行わせるが、ラットを脳定位固定装置に固定した状態で行う為に、ラットが課題を遂行する間の脳神経細胞活動を記録する事が出来る。 この実験セットはコンピュータープログラムによって全てがコントロールされている。このコンピュータープログラムはラットに対する課題としてモニターに視覚刺激を提示すると同時に、ラットによるレバー牽引の有無を検知して課題の成否を確認する。また、その際の脳神経活動を記録する為に、神経活動記録装置に対して記録開始信号を発信して記録を行わせたり、給水電磁弁や電気刺激装置に信号を送る事で給水や電気刺激を行う事が出来る。この様なコンピュータープログラムをプログラミング言語matlabを用いて作成した。 このコンピュータープログラムと各種外部機器との間でやり取りする信号の変換にはUSBパラレル変換モジュールを使用し、これにレバー、神経細胞活動の記録装置、給水電磁弁、電気刺激装置をつなげる為に、基板の電子工作を行った。また、これらに付随する各種周辺部品など全てを手作りで作成した。 この実験セットでは、コンピュータープログラムを書き換える事により給水や電気刺激を任意のタイミングに自在にセットし直す事が出来、麻痺に対する様々なアプローチが可能となる。実験セットの作成は本研究課題を遂行する際に必要不可欠であり鍵となる作業であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定よりも遅れている理由として実験セットで使用するプログラミング言語を変更した事が挙げられる。開始当初はpythonを使用してコンピュータープログラムを作成していたが、予定を変更してプログラミング言語をmatlabに変更してコンピュータープログラムを作成し直した。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度に作成した実験セットを使用して、ラットに二肢強制選択課題の学習をさせ、その後、片側前肢麻痺モデル動物を作成する予定である。 頭部を固定した状態で行う学習は当研究室では初めて行う作業である為、ラットに学習を行わせる際に困難が予想される。上手く進まない場合には、これまで学習が上手く行われていた自由行動下での学習をさせた後に行わせてみるなど試みる。また、学習に時間がかかる場合には、実験セットをもう一セット作成し、複数人で手分けする事により効率化を図る事も検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
実験セットの作成に当初予想されたよりも時間がかかり実験が開始出来なかった為、実験に関わるランニングコストが使用されなかった。
|
次年度使用額の使用計画 |
実験のランニングコストとして使用すると同時に、ラットの学習をより効率的に行う為に課題学習用にもう一セット実験セットを作成する事も検討する。
|