研究課題
本研究では脳梗塞後のリハビリテーションによる運動野再構成がどのようなメカニズムにおいて起こるのかを、解剖および分子の両面で明らかにすることを目的として実験、解析を行っている。これまでの研究により脳梗塞後のリハビリテーションは皮質脊髄路の軸索側枝を尾側頸髄で特異的に増加させることを明らかにした。初年度の研究により、この軸索の増加は吻側頸髄に投射していた神経が軸索を進展させ、尾側頸髄に新たな接続を形成していることを明らかにした。最終年度である2016年度は前年度までの結果さらに解剖、分子の両面で調べた。解剖学的解析ではリハビリテーションが脳深部から脊髄への投射経路で軸索リモデリングにどのような影響を与えるかを調べた。この実験の結果、リハビリテーションは皮質脊髄路においては軸索リモデリングを促進させるが、赤核脊髄路や網様体脊髄路といった脳深部からの経路では軸索リモデリングを促進させないことがわかった。この結果はリハビリテーションによる機能回復における大脳皮質の重要性を示唆している。分子的解析では、リハビリテーションがBDNFの発現に与える影響を、ELISAを用いて調べた。今回行った解析では、リハビリテーションによるBDNFの発現の変化はRFA及び脊髄のいずれの領域見られなかった。しかし、過去の研究からBDNFがリハビリテーションによる機能回復に重要な役割を果たしている可能性は高いと考えられるため、今後サンプル採取時間などを再検討する予定である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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