サルコペニアと嚥下機能低下様式の解明、特に筋萎縮分子機構の解明をテーマとした。サルコペニアは、華麗による狭義の原発性サルコペニアと、寝たきり等の 活動によるもの、栄養不足に伴う飢餓状態によるもの、手術や熱傷、尿感染症等の侵襲や慢性疾患などによる悪液質等の疾患によるものなど広義の虹性サルコペ ニアに分けられるが、今回は原発性サルコペニアとしてラット成熟群およびラットの加齢群を対象とした。 筋萎縮機構の会見には、ウェスタンブロット法を用いた成熟群ラットを用いた下咽頭収縮筋におけるタンパク転写因子(Fox3、リン酸化Fox03、PGC-1α)の発現 量の測定と定量評価、9-12週齢および24ヶ月齢のWister系雄ラットを用いて下記の実験を予定している。具体的にはペントバルビタールで安楽死処置後、実体顕微鏡を用い て舌骨上筋群、下咽頭収縮筋、長踵筋の採取技術の習得および角金ごとにサンプルを抽出してmFox03抗体、リン酸化Fox03抗体、PGC-1α抗体と反応させ、化学発 光したバンド画像をImageQuantLaS4000を用いてスキャンし、画像解析ソフトも用いて各筋のタンパク質発現量を比較、定量化する。これらの結果から、成熟群 の下咽頭収縮筋内のタンパク質転写因子(Fox3、リン酸化Fox03、PGC-1α)を同定し、また加齢群における結果とも照らしあわせる予定であった。しかし、やむをえない事情により十分な実験結果をだすことができず、平成31年度より再開することとした。
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