障害児・者を対象とした乗馬療法では、身体機能の向上と心理的な癒しといった精神面の両方から効果が示されている。本研究では、ユニバーサルデザインに基づく乗馬療法用補装具の開発にむけた基礎的研究として、乗馬療法を実施している対象者に対して頚部や体幹を保持する簡易補装具を作製し、その効果を運動学的分析から検討した。 対象者に対しては、それぞれ頚部と体幹の不随意運動を抑制する装具と体幹の伸展を促す手すりを作製した。これらを一年間継続して使用した結果、両ケースともに健常成人の乗馬姿勢に近づくという運動学的解析が得られた。姿勢保持を促す簡易的な補装具の効果が得られたものと考えられ、継続した使用が望まれた。
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