本研究では、報酬に基づく効果的な精神科行動練習プログラムの開発へ展開するための基盤となる実験を行った.前頭前野に対する経頭蓋直流電流刺激によって報酬に基づく試行錯誤課題における皮質脊髄興奮性、および報酬に基づく選択行動および獲得した報酬量に及ぼす影響を分析した.その結果、前頭前野に対する直流電流刺激条件の違いで皮質脊髄興奮性は変化しなかったものの、陰性の直流電流刺激条件において、報酬獲得行動および獲得した報酬量が有意に増加した。経頭蓋直流電流刺激は、報酬に基づく選択行動を変化させるコンディショニング刺激となり、行動練習プログラムの構築において有用なツールとなりうる可能性が示唆された。
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