研究課題/領域番号 |
15K16411
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
田嶋 拓也 福岡工業大学, 情報工学部, 准教授 (60469583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | うつ状態発見 / 独居者 / センサ応用 |
研究実績の概要 |
本研究では独居者を対象とした、重度うつ状態に進行する前に発見し、適切な受療を促すことで自殺等を未然に防ぐ軽度うつ状態早期発見支援システムを開発することを目的とする。本システムの機能としては、主に精神運動機能障害検知機能、睡眠障害検知機能、摂食障害検知機能の3つである。本年度はこの機能の内、精神運動機能障害検知機能、睡眠障害検知機能の2つの実現を検討した。 精神運動機能障害検知機能は室内の床面に圧力分布センサを設置し、足底面や座面圧力を計測することでシステム利用者がどの部屋に居るかや、移動の方向と速度、立ち/座り状態等を識別する機能である。この機能に関しては既にある単一の実在の独居用住宅内での実験において一定の成果は得られているものの、室内の間取りや形状によって識別精度が変わることが予想されることもあり、さらなる実験を要する。当該年度では、浴室を除くすべての部屋に可能な限りセンサを敷設することを検討し、次年度に研究を繋げる。 睡眠障害検知機能はある種のセンサをベッドに設置し、寝返り等で発生する振動の有無と強弱を計測し、入眠・起床の時間とタイミング、頻繁な夜間の起床や睡眠過多、昼間の睡眠の時間と頻度等を検知する機能である。さらに起床したにも関わらずベッドから降りる気力が出ない状態も精神運動機能障害として検知するものである。この機能に関して、調査により振動センサの機能を有するエアマットレスを使用した先行研究があることが分かった。しかし、明記されていないものの、被験者に布団を掛けないなど通常の睡眠状態ではない状態での実験であることが判り、別の手法を検討した。その結果、布状の圧力センサが存在することが判り、これを用いて実験をすることを検討し、次年度に研究を繋げる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.利用しようとしていたセンサに仕様上の不具合が見つかりメーカーへリコールを行っていたため。 2.利用しようとしていたセンサに故障が見つかり修理を行っていたため。 3.購入予定のセンサにおいて、当初予測していた性能に足りないことが判り、別のセンサを選定したが、購入価額の面での交渉がうまく行かず、再度、別のセンサを選定中であるため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は交渉中のセンサの購入ができる見込みであるため、研究が進められると考える。 今年度では研究協力者、及び被験者の選定が済んだので、実験を実施していく。 同種のセンサを使う別研究の成果が出て、その成果を本研究に応用が出来るため、一層研究の推進速度が早まると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
1.購入予定のセンサに想定の性能がないことが判り、別のセンサを検討しているため。 2.使用予定のセンサに仕様上の不具合と、故障が発生したため、実験が実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
再検討したセンサを購入し、実験を実施する。
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