ロービジョンにみられる様々な視覚状態が歩行および障害物またぎ動作に与える影響を検討し、ロービジョン者特有の動作特性を明らかにした。その結果、眼疾患の進行過程で現れる低視力や視野狭窄などの視覚状態によって歩行動作の特徴が異なることが示された。また、ロービジョン者は障害物に接触することを避けるために、健常者よりも障害物から離れた位置から踏み切り、障害物に対して十分に足部を拳上することで障害物を回避することが明らかになった。さらに、視覚情報と触覚情報を統合し、障害物の高さや形状の詳細な画像を取得することで、低視力者の障害物踏み込み動作中の脚持ち上げの正確性と一貫性が向上することが示唆された。
|