研究課題
ヒトの運動は新生児期から乳児期に著しく変化するが,、その神経学的機構は未だ明確ではない.本研究の目的は、,運動制御に関わる代表経路である大脳皮質-脊髄運動神経系に着目し、,その成熟過程を非侵襲的かつ簡便に観察できる神経生理学的手法を開発・利用した上で,新生児から乳児における運動発達メカニズムを神経生理学的観点から解明することである.本年度は,運動単位計測を目的とした新生児用特殊筋電図電極を用いた筋活動計測および固有感覚入力の推定を進めると同時に,動物モデルを対象としたmultichannel optogenetic systemの開発・実験を進めた.具体的には以下の項目に関して取り組んだ.1.新生児用特殊筋電図電極を用いた筋活動計測:1~2年次に作成した多チャンネル表面筋電図を利用し,新生児および乳児を対象に筋活動計測を行った.シリコン素材の電極を密着することで成人のような等張性収縮が不可能な新生児・乳児でも筋活動計測が可能となったが,電極が相対的に軽く運動関連性の低周波ノイズが多く含まれ,多チャンネル間の同期性解析には新生児運動に特異的なフィルタ設計・導入が必要なことがわかった.2.筋骨格モデルを利用した新生児・乳児の固有感覚推定:昨年度進めたーションキャプチャと筋骨格モデルを併用した全身の緊張力推定に加え,固有感覚モデルを導入することで新生児・乳児の運動時の固有感覚入力推定も可能にした.3.動物モデルを対象とした脊髄感覚神経光刺激による運動誘発:脊髄神経回路の動態調査を目的とした,multichannel optogenetic systemを開発した.感覚神経にchannelrhodopsin-2を発現するトランスジェニックラットに対して,720個のレーザー素子によって空間分解能の高い腰髄光刺激を実現したと供に,下肢運動の誘発を確認した.
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in human neuroscience
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