研究課題/領域番号 |
15K16422
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研究機関 | 四條畷学園大学 |
研究代表者 |
松木 明好 四條畷学園大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20624026)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小脳遠心路 / 経頭蓋磁気刺激 / 脊髄反射 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「小脳磁気刺激を用いた小脳-脊髄路の機能評価方法」(Matsugiら2014)を用いて、リハビリテーションの基盤となる随意運動学習、姿勢制御学習における、小脳-脊髄路機能の可塑的変化、およびコンディショニング刺激による可塑性促進効果を検討すること、さらに同方法を用いて脊髄小脳変性症症例における小脳-脊髄路機能障害と運動失調の程度の関係を検討することである。 平成27年度に行った予備的実験により、視覚フィードバックを用いた誤差修正学習後に、小脳への経頭蓋磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation)によるヒラメ筋H反射促通量がコントロール課題より有意に低くなる可能性を示唆する結果を得た。また、Moving platformを用いた直立姿勢外乱に対する適応的姿勢制御学習が生じることを三次元動作解析装置を用いて確認する予備的実験を行ったが、本実験を実施するまでには至らなかった。また、非侵襲的脳刺激法である経頭蓋直流電気刺激(Transcranial direct current stimulation)、または経頭蓋静磁場刺激(Transcranial static magnetic stimulation)を用いた小脳皮質興奮性誘導方法を確認した(投稿中)。脊髄小脳変性症症例を対象にした実験は、研究協力病院にて健常者を対象に予備的実験を行った。また、MRI画像上のコイル位置同定方法の検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備的実験に予想よりも時間がかかったこと、研究協力施設が遠方にあり、実験スケジュール調整に時間がかかったことが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に得られた予備実験結果を基に、運動学習による小脳-脊髄機能の可塑的変化を小脳磁気刺激によるH反射促通現象が反映するかを確かめる。 非侵襲的脳刺激法である経頭蓋直流電気刺激による小脳皮質興奮性変化により小脳磁気刺激によるH反射促通量が変調することを確認する。 脊髄小脳変性症症例を対象にした実験について、健常者を対象に研究代表者所属施設で予備実験を行ってきたが、H28年6月頃から協力病院内での健常者および脊髄小脳変性症症例を対象にデータ収集を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備実験に時間がかかり、実験数が予定より少なくなったため。また、終了した実験が少なく、英文校正の回数が予定より少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
実験被験者謝金と英文校正費用、および論文投稿費用とする。
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