研究課題/領域番号 |
15K16429
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
加登本 仁 滋賀大学, 教育学部, 講師 (40634986)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 学会ラウンドテーブルの開催 / 講師招聘 / 雑誌論文での公表 / 事例研究の実施 / データ収集と分析 |
研究実績の概要 |
平成28年度には、活動理論と運動発達論を手がかりとした授業分析モデルの開発における理論的考察と事例研究を実施した。 理論的考察については、活動理論学会での研究発表や情報交換をもとに、活動システムモデルにおける「動機」や「道具」といった中心概念を整理し、授業分析モデルの構築に向けた基礎的な考察を行った。さらに、授業分析モデルとしての有効性や限界について、日本体育科教育学会第21回大会で「体育授業における豊かな学びへの活動理論的アプローチ」と題するラウンドテーブルを開催し、活動理論の代表的研究者である山住勝広氏(関西大学教授)を講師として招聘し、学会員に成果を公表するとともに意見交換を行った。集団的活動における「身体」をどう位置付けるか、また運動技能の習得過程における自己と他者、言語と運動感覚といった諸要素の関係をどう扱うか等、さらに運動学や現象学の知見を参照し、分析概念を整理することが課題となった。 事例研究については、小学校の体育授業を対象に、東京都の公立小学校での跳び箱運動の実践について、データの収集、活動システムモデルを分析視点とした授業者及び研究協力者との協議、データの分析に取り組んだ。また、中学校の体育授業を対象に、滋賀県の公立中学校でのマット運動の実践についてもデータ収集を行った。 平成28年度に実施した事例研究の成果を、平成29年度内には公表できるよう継続して研究課題に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題についての理論的考察や事例研究の実施など、概ね研究計画通りに取り組むことはできているが、研究協力者との打ち合わせの機会を十分にとれなかったり、理論的考察の作業に多くの時間を要することから、予定していた学術論文での公表についてはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度までに実施した理論的考察や事例研究の論文化に努める。 昨年度までにデータ収集等は完了しており、今後はその分析や分析方法の精緻化を実施する。学会発表や学術雑誌への投稿を進めていく。 研究計画に大きな変更はないが、研究を遂行する上での課題として、投稿論文や審査の過程で、今年度内に論文化が完了できない可能性も考えられる。その点もふまえて、早急に研究成果を総括し、公表できるよう努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額として、20,445円の残高が生じた理由は、予定していた研究協力者との打ち合わせが延期となり、それに計上していた旅費が未使用となったためである。 研究打ち合わせが延期となった理由は、家庭の事情によるものであるが、次年度に再度研究打ち合わせの機会を設けることで合意している。
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次年度使用額の使用計画 |
当該年度に生じた残高については、今年度に繰り越し、同一の目的で、研究協力者との打ち合わせに係る旅費として使用する計画である。
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