本研究では、従来、筆者らが体育の学習集団形成過程を解釈するために分析概念として用いてきた「集団的活動システム」(Engestrom,1987)の言語主義的側面を批判的に検討し、運動学や現象学における「身体的経験」や「身体的対話」、「身体技法」といった身体性をめぐる諸概念についての考察を通して「集団的活動システム」の再定義を試み、新たな授業分析枠組みとして「身体的・集団的活動システム」を開発した。今後、開発した「身体的・集団的活動システム」の枠組みをもとに事例研究を重ねることによって、体育特有の学習集団の形成原理を明らかにすることが課題である。
|