本研究の目的は,ALACTモデルを利用し,小中学校教員養成における保健体育科教育法の授業改善を図るとともに省察的授業モデルを構築することを目指すことであった。 本研究は,本来,平成29年度(3年目)で研究を終了する計画であったが,昨年度,海外から研究者を招聘して開催したシンポジウムにおいて,構築した省察的授業モデルについての有益な改善情報を得られたため,今年度1年,研究期間を延長して実施してきた。そのため,平成30年度(4年目)は,前年度までに実施してきた保健体育科教育法の授業ならびにシンポジウムでの指摘を参考に,学生のリフレクション能力向上を図るための保健体育科教育法の授業改善に関するPDCAサイクルの4サイクル目を実施した。この保健体育科教育法の授業を履修した学生のリフレクション能力の変容について考察するため,アンケート等の量的調査ならびにポートフォリオのリフレクションの記述内容およびインタビュー等の質的調査を実施した結果,リフレクション能力の向上を見て取ることができた。また,この授業改善は,大学教員の授業力向上のためのポートフォリオ活用という点でも成果を残せたと考える。 さらに,この保健体育科教育法の授業,および今までの研究成果をもとに,小中学校教員養成における保健体育科教育法の省察的授業モデルの構築を行った。この省察的授業モデルの構築は,教員養成における体育以外の教科教育法にも還元できるものであると考える。また,これらの研究成果について,スポーツ教育学会等の学会等で発表することによりて広く社会に発信することができた。
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