研究課題
若手研究(B)
本研究では,ハードル走技能向上のための技術的要因を3次元的に明らかにするために,熟練者群(S群)と未熟練者群(N群)を対象にハードル走動作の分析を行った.その結果,S群はより大きな疾走速度を獲得し,リード脚の素早い振り上げ,振り下ろし動作により短時間でハードリング動作を行っていた.また,踏切局面において,S群はより減速が小さく,加速が大きかった.N群の減速が大きい要因として,踏切脚を踵から接地し,膝の屈曲伸展が大きかったことにより,減速局面の時間が増加したことが挙げられた.
スポーツバイオメカニクス
本研究で示したハードル走における技術評価のポイントを体育授業などで評価指標として使用することにより,これまで主観的に評価されてきたハードル走技能に関して,科学的根拠に基づいた客観的な評価の一助となると考えられる.特に,これまでは抜き足の動作については,3次元的な動作を行っているため明確な評価の基準が示されていなかったが,本研究ではそのような点も明らかにすることができた.