本研究の目的は,小学生の疾走動作を対象に,体育を専門としない小学校教員および短距離走の指導者における観察評価の観点を明らかにし,両者の比較を行うことで,体育授業で利用可能な観察ポイントについて検討することであった. 主な結果として,指導者は,下肢の動作を中心に観察し,疾走動作の合理性を適切に評価していたが,小学校教員にはそのような傾向はみられなかった.また,小学校教員は特に「腕振り」に着目している傾向がみられ,観察,評価し易い観点であることが明らかになった.しかし,疾走能力を評価する上で適切な項目ではない可能性も示され,実際の体育授業の場面では,この点について考慮する必要があることが示唆された.
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