バレエの身体長軸周りの回転動作では、バランスの保持と十分な角運動量の生成が必要となる。本研究の目的は、角運動量生成及びバランス保持機構を動力学的に明らかにすることである。バレエダンサーによる1から6回転までの片脚支持回転動作を撮影し、左右上肢の運動学的パラメータを求めるとともに逆動力学演算によって各関節トルクを算出した。対象とする系の運動方程式を利用して、上体の重心周りの角運動量に対する関節トルク、重力および運動依存項などの動力学的な貢献を算出した。上肢の角運動量は関節トルクの即時的な効果により増大した後、関節トルクの累積的な効果として現れる運動依存項の貢献により増大していた。
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