研究課題/領域番号 |
15K16447
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中澤 篤史 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (70547520)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スポーツ文化 / 運動部活動 / 歴史 / 日本 / アメリカ / イギリス / 比較 |
研究実績の概要 |
日本のスポーツ文化は、地域社会のクラブではなく、学校の運動部活動によって支えられてきた。これまで研究代表者は、この日本の運動部活動の形成・拡大・維持プロセスを分析し、スポーツと教育の関係を考察してきた。本研究は、それを国際的なスケールに発展させて、日本・英国・米国の運動部活動の歴史を比較する。具体的には、20世紀の英国と米国における中等教育機関の運動部活動の展開を分析し、各国のスポーツと教育の関係性、およびそれらを生み出した歴史的・社会的要因を比較史的に考察する。それを通じて、スポーツが教育へ強く密接に結び付く日本の特殊性を明らかにすることをめざす。 2016年度は、主にアメリカの歴史分析と、日本の歴史分析を行った。アメリカの歴史分析については、運動部活動が19世紀末に成立したこと、20世紀前半に大きく広がったこと、その背景には、キリスト教青年会・プレイグラウンド運動・公立学校運動競技連盟の動向が影響していたことなどを検討した。とくに、公立学校運動競技連盟の果たした役割は大きく、引き続き検討を続ける必要がある。つぎに日本の歴史分析については、戦後に運動部活動が拡大してきた背景を、学校体育連盟の果たしてきた役割に注目しながら検討した。具体的には、1955年に設立された全国中学校体育連盟の形成過程を、一次資料をもとに明らかにしようと努めた。これらの作業を通じて、日本と米国の歴史を比較する視点として、運動部活動とその競技大会を統括する学校体育団体の歴史的動向に着目する重要性が浮かび上がってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに、おおむね順調に進展している。2016年度は主にアメリカの歴史分析と、日本の歴史分析を行った。これらの作業を通じて、日本と米国の歴史を比較する視点として、運動部活動とその競技大会を統括する学校体育団体の歴史的動向に着目する重要性が浮かび上がってきた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、計画通りに研究を進めていく。具体的には、アメリカの運動部活動の歴史的展開を分析する作業をさらに進めるとともに、イギリスのそれも分析し、その上で日本と比較し考察する予定である。それを通じて、各国のスポーツと教育の関係性、およびそれらを生み出した歴史的・社会的要因を比較史的に考察し、さらに、スポーツが教育へ強く密接に結び付く日本の特殊性を明らかにすることをめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は、5万円以内に抑えることができた。ほぼ予定通りに研究費を執行している。
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次年度使用額の使用計画 |
わずかに生じた次年度使用額は、来年度予定している資料複写費等に用いる予定である。
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