平成28年度は,プリ・パフォーマンス・ルーティンが,バスケットボール未熟練者のフリースロー課題習熟過程に与える影響について,課題動作の再現性の観点から検討を行った。 実験では,バスケットボールを競技として実施したことがない非熟練者を対象に,一定期間のフリースロー練習を課した。この練習では,すべての練習投の準備行動において,対象者自身が設定した一定の準備動作(プリ・パフォーマンス・ルーティン)を実施するように教示した。この練習の効果は,実験前,プリ・パフォーマンス・ルーティン教示後,実験後に測定した課題動作の上肢の関節変化を分析して評価した。評価には,単関節変化の変動係数のみならず,Vector Cording法を用いて2関節の協調された変化を評価項目として用いた。 分析の結果,変動係数は関節によって変化の傾向が異なっていた。2関節間の変化の値では,実験前,教示後,実験後の順でバラツキが少なくなっていく傾向が見られた。今後は,下肢の分析やパフォーマンス結果と課題動作の再現性の関連も加え,プリ・パフォーマンス・ルーティンが及ぼす影響を総合的に検討していく。
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