研究課題/領域番号 |
15K16460
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
尾崎 隼朗 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (00748428)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サイクリスト / 筋サイズ / 筋力 / 最大酸素摂取量 / トレーニング頻度 / 中高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、運動習慣のない若年男性と中高齢男性サイクリストとの間で、下肢筋サイズ・筋力や最大酸素摂取量を比較するとともに、サイクリストにおいて、これらの形態的・機能的指標とトレーニング頻度との関係を検討することであった。 中高齢のアマチュアサイクリスト[MOC]8名(年齢: 48-62 歳、身長: 1.71±0.02 m、体重: 66.7±2.5 kg、トレーニング年数: 12±4 年)と運動習慣のない若年男性[UY]9名(年齢: 25-30 歳、身長: 1.74±0.02 m、体重: 66.5±2.0 kg)を対象とした。サイクリストに関しては、サイクリング以外に定期的な運動を実施していない者を対象とした。最大酸素摂取量はエルゴメータを用いて評価した。筋厚は超音波Bモード法により大腿部前面・後面、下腿前面・後面の計4ヶ所を計測した。筋力はBIODEX system4を用いて膝伸展・屈曲動作の等尺性・等速性最大筋力を測定した。 最大酸素摂取量と大腿部・下腿部前面の筋厚に群間で有意な差は認められなかった。それにもかかわらず、膝伸展・屈曲動作における等尺性・等速性最大筋力はMOCにおいて、UYよりも有意に有意に低かった。MOCにおいて、最大酸素摂取量と大腿部前面の筋厚は1週間当たりのトレーニング頻度との間に有意な正の相関関係が認められた。さらに、大腿部前面の筋厚は最大酸素摂取量と正の相関傾向にあったものの、膝伸展最大筋力とは関係は認められなかった。 結論として、中高齢サイクリストは運動習慣のない若年者と同等の大腿四頭筋のサイズ及び最大酸素摂取量を有しているが、膝伸展・屈曲動作の等尺性・等速性最大筋力の値は若年者よりも低いようである。さらに、トレーニング頻度の高いサイクリストほどより大きな筋サイズと最大酸素摂取量を有している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究目的は、運動習慣のない若年男性と中高齢男性サイクリストとの間で、下肢筋サイズ・筋力や最大酸素摂取量を比較するとともに、サイクリストにおいて、これらの形態的・機能的指標とトレーニング頻度との関係を検討することであった。研究の結果、当初の仮説通り、中高齢サイクリストは運動習慣のない若年者と同等の大腿四頭筋のサイズ及び最大酸素摂取量を有しており、さらに、トレーニング頻度の高いサイクリストほどより大きな筋サイズと最大酸素摂取量を有している可能性が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的、サイクリング運動によって全身持久力と筋サイズ・筋力を同時に改善するために必要なトレーニング条件を明らかにすることである。昨年度の研究では、これらにトレーニング頻度が大きく関与していることを明らかとした。引き続き本年度の研究では、トレーニング強度がこれらに与える影響について検討していく予定である。
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