研究課題/領域番号 |
15K16464
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
小山 孟志 東海大学, スポーツ医科学研究所, 講師 (90734830)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | バスケットボール / 持久力 / 身体接触 / トレーニング法 |
研究実績の概要 |
1.研究の動機・目的と研究実施内容 本研究は、バスケットボールにおいて身体接触を伴う高強度運動に着目し、身体的特徴および競技特性を考慮した持久力トレーニング法を開発することを目的として開始した。平成27年度の結果から、国内のセンターポジションの選手(高身長および高体重者)の持久力に課題が見いだされ、大型選手は身体的特徴を考慮した上で持久力を高める必要性が示唆された。そこで平成28年度は異なる運動様式(走運動と自転車運動)による持久力測定を行いポジション特性について検討した。 また、実際の試合における運動・生理的負荷を包括的に理解することを目的として、試合中の選手の運動出力として加速度をワイヤレス慣性センサから、移動距離・速度をビデオカメラから、生理的指標として心拍数をワイヤレス心拍計から計測した。 2.主な結果と研究の意義・重要性 持久力の指標である最大酸素摂取量は、その測定に用いる運動様式の違いによって結果が異なると言われるが、センターポジションの選手は走運動により測定した最大酸素摂取量が自転車運動のそれに比べて有意に低値を示した。試合中の生理的負荷については、最大心拍数の90%以上の時間の割合が出場時間の約半分であることがわかった。ポジション別に比較するとセンターポジションの選手は他のポジションに比べて90%以上の時間の割合が低いことがわかった。これらの結果は、持久力トレーニングを立案する際に手助けとなるデータになり得る。現在、試合中の移動距離・速度・加速度のデータをまとめており、身体接触や加減速などの高強度運動を定量化し、成果発表をする準備を進めている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は3カ年計画による完結を計画しており、平成28年度は、異なる運動形態による持久力測定を行うことに加え、実際の試合における運動・生理的負荷を包括的に理解することを目的とし研究を進めた。既に測定を済ませており、一部データについては成果発表をする準備を整えている段階である。 平成27年度からの2年間で国内バスケットボール選手の持久力レベルやポジション別傾向について把握することができた。さらに、試合における運動・生理的負荷の包括的理解を試みたことで選手1人1人の動きをより正確に把握することができた。これらの結果は、平成29年度に予定しているトレーニングを立案する際に手助けとなるデータになり得る。したがって最終目的を達成するにあたり、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は身体接触や加減速をはじめとする高強度運動について加速度データを用いて定量化する。また、試合における測定のサンプル数が少ないことから昨年度と同内容の項目で試合数を増やす予定である。最終的には、これまでに得られた知見をもとに、身体接触を伴う高強度運動に着目し、身体的特徴および競技特性を考慮した持久力トレーニング法を考案する計画である。
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