研究実績の概要 |
現在、大学アスリート約1200名(レスリング、体操、陸上など10種目)の唾液を採取し、その内、1100検体のDNAを抽出している。アスリートの競技実績については、オリンピックなどの国際大会出場者を含む国際レベルが約90名、全国大会出場レベルが約500名である。このうち7割は在学生であり追跡調査が可能である。対象者は、競技実績の調査や傷害調査を行なっており、今後候補遺伝子を選定し、関連性を明らかにしていく。また、対象者において250名を対象に体力測定として最大酸素摂取量、等速性膝伸展屈曲筋力、無酸素性パワー、等尺性筋力(握力、背筋力)、下肢パワー(垂直跳び、スクワットジャンプ)、柔軟性(長座体前屈)、筋持久力(上体起こし)の測定を行なっている。初年度は、ACTN3遺伝子R577X多型やMCT1遺伝子T1470A多型に着目し、研究成果について論文発表した(Kikuchi et al., Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism, kikuchi et al. European Journal of Sports Science)。 主に陸上競技選手を対象として、ACTN3遺伝子R577X多型と競技実績や競技特性との関連性を検討した。その結果、パワースプリント系競技選手に頻度が高いとされているRR型は、短距離選手に多くその傾向は競技実績がInternationalレベル、Nationalレベル、Regionalレベルの順にRRがたの頻度が高かった。一方、持久系競技選手はXXがたの頻度が高いもしくは関連性が認められないとされてきたが、本研究では持久系競技選手においても競技実績が高いほどRR型の頻度が高い傾向が認められており。今後は、持久系選手に関する検討を進めていく必要がある。
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