本研究の目的は,義足のスプリンターの疾走速度と表面筋電図の関係を調べることであった。義足のスプリンターはT44クラスの選手であった。毎年,彼は,陸上競技の選手として,ジャパンパラ競技大会に出場している。実験は2度にわたって実施した。表面筋電図は,両脚の内側広筋等を測定した。 主要な結果は以下の通りであった。疾走中の内側広筋の表面筋電図の積分値は,健足側の方が義足側よりも1.4倍大きかった。ストライドの平均値は,健足側が1.40m,義足側が1.37mであった。これは,義足側を支持脚として健足側で接地する方が,健足側を支持脚として義足側で接地するよりもストライドが長くなった結果を表していた。
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