研究課題/領域番号 |
15K16475
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研究機関 | 流通科学大学 |
研究代表者 |
山口 志郎 流通科学大学, 人間社会学部, 講師 (70733096)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 市民マラソン / 参加者 / ブランド・パーソナリティ / スポーツイベント・パーソナリティ / 目的地・パーソナリティ |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の市民マラソンを事例に、(1)Aaker(1997)のブランド・パーソナリティ理論を基に、日本の社会文化的背景を考慮した「スポーツイベント・パーソナリティ」と「目的地・パーソナリティ」の概念化及び測定尺度を開発すること、(2)スポーツイベントと目的地との組み合わせによるパーソナリティ・フィットが参加者のイベントと目的地に対する態度及び目的地・ロイヤリティに影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。今年度は、先行研究を概観し、スポーツイベント・パーソナリティと目的地・パーソナリティの尺度を開発するため予備調査ならびに市民マラソンでの参加者調査を実施した。まず始めに、先行研究を概観し、ブランド・パーソナリティ、スポーツイベント・パーソナリティ、ならびに目的地・パーソナリティの研究動向を把握することを試みた。その中で、スポーツイベント・パーソナリティと目的地・パーソナリティを同じ評価軸で測定している研究はこれまで行われていないことが明らかとなった。このことから、先行研究の尺度を基に同じ評価軸で測定が行えるよう、スポーツイベントと目的地の特性ならびに日本の社会文化的背景を考慮した尺度開発を行った。次に、開発された尺度の信頼性と妥当性を確認するため、予備調査を行った。最後に、予備調査において信頼性と妥当性が確認された尺度を基に、赤穂シティマラソンでの参加者調査を実施した。回収数は251票、有効回答数は231票(有効回収率:92.0%)であった。これらの結果は、「赤穂シティマラソンランナー調査」と題した報告書(30ページ)にまとめられ、研究結果の社会還元のため、調査にご協力頂いた赤穂シティマラソン実行委員会にフィードバックされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目となった平成27年度は、当初の予定通り、予備調査ならびに市民マラソンでの参加者調査を実施することができた。また、赤穂シティマラソン実行委員会の担当者に対し、報告書を提出することができ、次年度の調査に向け良好な関係を築けている。今後は研究結果の論文化を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目となる平成28年度は、1年目で開発された尺度である「スポーツイベント・パーソナリティ」と「目的地・パーソナリティ」、そしてその他関連要因(目的地に対する態度、イベント満足度、目的地ロイヤリティなど)を含んだ質問紙調査を市民マラソンで行う。特に、スポーツイベントと目的との組み合わせによるパーソナリティ・フィットの検証を明らかにすることで、これまでの研究では見いだせなかった新たな知見を得られる可能性があると考える。
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