研究課題/領域番号 |
15K16487
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
角川 隆明 鹿屋体育大学, その他部局等, 講師 (00740078)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 抵抗力 / 競泳 / 障がい者 |
研究実績の概要 |
次年度に障がい者競泳選手を対象として泳動作中の抵抗力測定を実施するため、健常競泳選手を対象として測定を実施し、測定方法の有用性や妥当性を検証した。抵抗力の測定方法は、牽引装置を用いてクロール中の抵抗力を測定した先行研究での理論を応用し、回流水槽にて行った。本研究では、クロールでの測定に加え、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎでの測定を実施した。 その結果、全力でのクロール中の抵抗力は最大値で348N、平均値で171Nを示し、先行研究と同程度の値が得られた。また、試技中は抵抗力を経時的に測定することができ、回流水槽での流速を全力泳時より10%高く設定することの妥当性が確認された。また、背泳ぎに関しても最大値で294N、平均値で153Nの抵抗力を示し、経時的に抵抗力を計測できることが確認された。 しかしながら、バタフライと平泳ぎに関しては、クロールと背泳ぎと比較して泳速度の変動が大きいことや、身体が鉛直方向に大きく浮き沈みするため、各ストローク周期中には測定のためのケーブルにたるみが生じ、抵抗力を計測できない局面が存在した。また、身体が最も深く沈む局面では、バタフライで669N、平泳ぎで545Nが計測され、腰部に取り付けたケーブルに大きな張力が生じ、泳動作の妨げとなることが明らかとなった。 これらの結果から、クロールと背泳ぎについては同様の方法論にて抵抗力の測定が可能であるが、バタフライと平泳ぎについては実施が困難であると考えられ、次年度はクロールと背泳ぎの2泳法を対象として研究を実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の当初計画では、初年度に健常競泳選手を対象として泳動作中の抵抗力測定方法の検証を行い、2年目に障がい者競泳選手を対象としての測定を実施することとなっている。初年度については計画通り健常競泳選手を対象とした測定を実施し、次年度の測定に向けてデータを収集することができた。2年目に実施予定の測定についても問題なく準備が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで健常競泳選手を対象として検証した方法論を用いて、障がい者競泳選手を対象とした抵抗力測定を実施する。今後の実験では、これまでの実験結果から抵抗力の測定が実施可能であることが確認されたクロールと背泳ぎを対象に行う。
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