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2016 年度 実績報告書

上肢の随意的筋弛緩運動における予測的姿勢制御と事象関連脳電位

研究課題

研究課題/領域番号 15K16490
研究機関札幌国際大学

研究代表者

阿南 浩司  札幌国際大学, スポーツ人間学部, 講師 (00553851)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード姿勢制御 / 上肢運動 / 筋弛緩
研究実績の概要

健常成人を対象に、上肢運動を随意的な筋の収縮と弛緩にて開始する課題を課し、その時の姿勢制御と注意の様相について検討した。
はじめに画面の中央に、手がかり信号(S1)を100 ms 間提示し、その2000 ms 後に命令刺激(S2)を150 ms 間提示した。被験者は、S2に対して右上肢で素早く反応するS1-S2単純反応課題を以下の2条件:①挙上条件:素早く外転する、②降下条件:筋弛緩による自由落下を行う、で実施した。測定項目は、S1-S2間の随伴陰性変動(CNV)のピーク振幅およびピーク潜時、三角筋の活動開始時間および姿勢筋の三角筋に対する先行活動時間について分析した。
三角筋のS2に対する反応時間は、降下条件が、挙上条件よりも長い傾向にあった。姿勢筋の三角筋に対する先行活動時間は、降下条件の方が挙上条件よりも長い傾向にあった。このことから降下条件の方が挙上条件よりも、姿勢外乱が加わるタイミングが遅く、姿勢制御の準備ができたと推察された。
CNVについて、①CNVピーク振幅では、条件の違いはなかった。②CNVピーク潜時では、降下条件の方が挙上条件よりもピークを遅く迎える傾向にあった。また、降下条件ではS2付近でピークを迎える傾向にあった一方で、挙上条件では、全被験者がS2時点に先行してCNVピークを迎えていた。これらのことから、いずれの条件でもS2に向ける注意量は同程度であったが、その注意を高めるタイミングが降下条件の方が挙上条件よりも遅く、よりS2時点に近かったことが示唆された。
弛緩動作は収縮動作に比べて、①S2に対して反応を開始するまでに時間を要することが明らかとなった。②それにより、上肢運動に伴う姿勢外乱が加わるタイミングが遅くなり、相対的に早期から姿勢制御の準備ができるものと考えられた。③それにともない、S2に向けてあらかじめ注意を高める必要性が低くなることが示唆された。

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公開日: 2018-01-16  

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