スポーツや楽器演奏を行う際、リラックス(弛緩)することをなぜ難しいと感じるのだろうか。一般的に、弛緩すべき特定の筋に不必要な筋収縮が生じることは容易に想像がつく。一方で、ある筋を無理に弛緩しようとすると収縮すべき他の筋が適切に収縮せず、動作がぎこちなくなる点も考慮しなければならない。本研究では、筋の弛緩が他部位に及ぼす影響を多角的に明らかにした。まず、足関節筋の弛緩を行うと、同側他肢(右足→右手)おぼび対側他肢(右足→左手)さらには同肢内他筋(右肩→手)の持続収縮力および皮質脊髄路興奮性が低下することが明らかになった。また、これらは運動イメージを行うことによっても変化することが明らかになった。
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