研究課題
若手研究(B)
転倒予防に効果的なトレーニングの確立を目的として,予期せぬ外乱に対する上肢・下肢の軌道修正動作の加齢変化を調べた.外乱に対する反応は高齢者において遅れており,上肢・下肢の軌道修正にも長い時間を要した.一方で,その時間に上肢・下肢の間で顕著な差は見られず,手すりの使用により身体の安定性が担保された条件でも,下肢の軌道修正に要する時間は短縮しなかった.高齢者に見られる軌道修正の遅れは,姿勢の不安定性の回避のために反射的応答を抑制した結果ではなく,主に反応の遅れに起因しており,外乱に対する反応能力の向上が転倒予防に有効であることが示唆された.
バイオメカニクス