研究課題
本研究では、冬眠動物(シリアンハムスター)と非冬眠動物(マウス)に対して飢餓状態を模倣するとともに低体温を誘導する高脂肪・低炭水化物食(ケトン体食)を摂取させ、骨格筋への影響を分子レベルで比較することにより、冬眠動物特異的な筋量維持メカニズムの解明を目指す。初年度は、ハムスターとマウスに短期間(3日間)、または長期間(4週間)ケトン体食を摂取させ、冬眠様状態(低体温)の誘導の程度を比較するために深部体温を経時的に測定した。すると、ケトン体食摂取による体温低下の経日変動にマウス、ハムスター間で違いが見られたため、ケトン体食摂取中の体温調節機構に着目し、骨格筋特異的に発現する日周発現遺伝子Slc25a25が飢餓状態における熱産生に重要な役割を担うことを見出した。
3: やや遅れている
骨格筋の熱産生における新規機能性について研究を進めることはできたが、筋量調節関連の分子レベルでの解析が遅れているため。
今年度に検討を行った冬眠様状態の誘導の程度の差を踏まえて、当初計画していた筋重量調節機構への影響について検討する。
予定していた骨格筋のDNAマイクロアレイ解析を行わず、体温測定、リアルタイムPCRによる解析を中心に実施したため。
当初の計画通り、筋重量調節機構に係る分子生物学的、形態学的解析に必要な試薬の購入に使用する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
Metabolism
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