研究課題/領域番号 |
15K16503
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
山田 浩平 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60439304)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アクティビティ / ライフスキル / 評価票 |
研究実績の概要 |
本研究では、ライフスキルをより楽しくより効果的に形成し、さらに体力の維持・向上を図るために、アクティビティを取り入れたプログラムとその評価票を開発することにある。平成27年度は、研究1としてプログラムの教育効果を測定するための評価票を作成するとともに、研究2でライフスキルの構造を明らかにしてライフスキルの形成を評価するための尺度を開発することにあった。 研究1ではプログラムの教育効果自体を評価するために、米国のNational Health Education Standards の到達目標を翻訳かつ分析し、第66回日本体育学会で発表した。さらにこの研究成果を踏まえ、日本におけるプログラムの教育効果をみるための評価票を作成するために、教育目標の領域(Bloom,1956)に沿って認知領域、情意領域で37項目の評価票案を作成し、小・中学生約1000人を対象に調査を行った。その結果、認知領域、情意領域で各10項目の評価票が完成し、第62回日本学校保健学会で発表した。 研究2では、ライフスキル自体を評価するための評価票を作成するために、WHOの提唱する5組10種類(問題解決,意志決定スキルなど)のライフスキルに合わせて作成されたLife Skills Assessment Scale (Subasree,et al.,2014)100項目と、既存の各スキル別に作成されている尺度〔例えばDecision Making Questionnaire (Mann,et al.,1997)〕などを参考に10種類のスキルごとに70項目のライフスキル測定尺度案を作成し、小・中・高校生約1000人を対象に調査を行った。その結果、ライフスキルの5組10種類ごと5項目(計50項目)の尺度が完成し、平成28年6月の第25回日本健康教育学会に発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、ライフスキルをより楽しくより効果的に形成し、さらに体力の維持・向上を図るために、アクティビティを取り入れたプログラムとその評価票を開発することにある。そのために、研究1(平成27年度)でプログラムの教育効果を測定するための評価票を作成し、研究2(平成27年度)でライフスキルの構造を明らかにしてライフスキルの形成を評価するための尺度を開発し、研究3(平成28年度)でアクティビティを取り入れたライフスキル形成のためのプログラム案を作成し、研究4(平成28年度)で作成したプログラムを実施してライフスキルの形成のプログラムの効果と体力の維持・向上を検証する。 平成27年度は、研究1と2を実施する予定であったが、国内外の文献調査を行うことである程度のライフスキルの順次性や系統性について概念的構造と順次性が明らかとなり、測定尺度を開発することができた。また開発した尺度は、その信頼性と妥当性を検討することができた。さらにライフスキル形成のためのプログラムの教育効果を測定するための評価票も作成して学会にて発表したが、発表後は多くの方から助言や研究内容に賛同して今後の研究に協力してくれるとの意見が得られ、研究の意義を再確認できた。 なお、現在までにすべての研究が予定通りに遂行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、ライフスキルをより楽しくより効果的に形成し、さらに体力の維持・向上を図るために、アクティビティを取り入れたプログラムとその評価票を開発することにある。そのために、研究1~4の研究を行うことになるが、平成27年度は予定通り、研究1と2を遂行することができた。 平成28年度は、研究3でアクティビティを取り入れたライフスキル形成のためのプログラム案を作成し、研究4で作成したプログラムを実施してライフスキルの形成のプログラムの効果と体力の維持・向上を検証することになる。昨年度の3~4月の時点で研究協力者と数回の打ち合わせを行い、平成27年度の成果を確認し、平成28年度の研究の分担の確認と、研究3のアクティビティを取り入れたライフスキル形成のためのプログラム開発を試みている。開発にあたっては、教材要素構成票を作成し、開発しようとしているプログラムが、5組10種類のライフスキルのどのスキルを高めるのかや、簡便性や遊戯性の程度を評価するようにしている。 ライフスキル形成のためのプログラムは、平成28年の6月下旬までに開発し、7月以降から実施予定である。プログラムの実施フィールドとしては、予定通りの本研究協力者の協力を得て、関東、東海、関西地方を中心に実施する予定である。なお、研究の成果は、随時学会にて発表し、最終的には学会誌に投稿すべく研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額(B-A)は、700,000-692,877=7,123円である。 平成27年度の人件費・謝金の実支出額が予算より少なかったことが影響しているはが、これは予定していたより研究1の調査対象者の数が多少少なかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年4~5月は教材要素構成票を作成し、開発しようとしているプログラムが5組10種類のどのライフスキルを高めるのかや、簡便性や遊戯性の程度を評価する。6~7月はライフスキル形成のためのプログラム案を作成し、8~10月でプログラムを実施してその効果を検証する。 なお、アクティビティを取り入れたライフスキル形成のためのプログラム開発にあたって、当初の予定では現場教師からの要請の高かったプログラム1:友好的対人因子、プログラム2:自他承認因子、プログラム3:目標実現化因子の3つを実施し効果を検証することになっていたが、これに加えてプログラム4:思考因子の開発もする予定である。次年度の使用額はこのプログラム4の開発にあてる予定である。11月以降は、研究成果を学会にて発表したり、学会誌にまとめたりする。
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