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2015 年度 実施状況報告書

大学生の抑うつ症状、躁症状、不安症状および自閉傾向に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16506
研究機関北星学園大学

研究代表者

佐藤 祐基  北星学園大学, 社会福祉学部, 講師 (10382532)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード大学生 / 抑うつ / 発達障害 / 自殺念慮 / 躁症状 / 不安 / 自閉傾向
研究実績の概要

本研究は、大学生の抑うつ症状、躁症状、不安症状および自閉傾向に関する調査研究を行い、(1)大学生の各症状と自殺念慮の関連を検討し、(2)すでに実施されている小・中・高校生への調査と比較検討し、小学校から大学までの連続性を伴った観点から、精神的問題を改善させる要因を明らかにすることを目的としている。
2015年度は、本調査に向けた予備調査を実施した。大学生を対象とする質問紙調査を行い、抑うつ傾向、不安傾向、発達障害傾向、不登校傾向の関連について、共分散構造分析を用いて因果モデルを検討した。その結果、発達障害傾向は抑うつ・不安傾向に正の影響が認められ、抑うつ・不安傾向を媒介して不登校傾向へ正の影響を与えていた。そのため、発達障害傾向のある学生には、抑うつや不安への心理的支援を行うことが望ましいと考えられた。つまり、発達障害傾向のある大学生は二次障害として抑うつや不安をもちやすい傾向があるため、学内では学生相談室や障害学生支援室、ピア・サポートの活用、学外では専門機関等の利用を促すことが大切であると考えられた。また、抑うつや不安の症状を訴える学生や不登校傾向のある学生には、その背景に発達障害傾向が隠れている可能性があるため、支援を行う側は注意を払う必要があると考えられた。
2016年度に実施する本調査では、全国にある複数の大学の学生を対象としてDSM-IV(American Psychological Association,1994)およびDSM-IV-TR(American Psychological Association,2000)の診断基準に則った臨床尺度への回答を求め、抑うつ症状、躁症状、不安症状および自閉傾向を測定する予定である。予備調査で得られた結果を参考に各症状の関連性を検討していく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに予備調査の実施、本調査のアンケート調査票の作成、研究協力者との打ち合わせ等の本調査実施の準備が整えられている。予備調査の結果について学会発表(口頭発表)を行った。

今後の研究の推進方策

2015年度に作成したアンケート調査票を用いて、全国の大学生を対象に調査を実施する。地域や大学の属性(公立・私立等)によるサンプリングの偏りを避けるため、北海道、東北、関東、関西、九州等の複数地域の大学に調査を依頼する。実施方法は、講義時間に調査票を配布し、回答を依頼する。なお、学生の人権の保護に十分に配慮する旨の説明文書を表紙に記載しており、調査票の配布時に研究協力者の教員によって口頭で周知がなされる。
分析の手順は、(1)大学生のデータを分析し、大学生の抑うつ症状、躁症状、不安症状および自閉傾向の関連を検討する。あわせて、各精神症状と自殺念慮との関連を検討する。(2)同様の質問紙を用いて収集された小・中・高校生のデータ(井上・佐藤ら、2013)と大学生のデータを比較し、各症状の関連性について検討し、精神的問題への支援を検討する。

次年度使用額が生じた理由

10名ほどの研究協力者に対して、調査票配布・回収の謝金を支払う予定であったが、まだ支払われていないため。

次年度使用額の使用計画

2016年度中に研究協力者10名ほどに対して、調査票の配布・回収の謝金を支払う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大学生の発達障害傾向、抑うつ・不安、不登校傾向の関連2016

    • 著者名/発表者名
      上埜舞子、佐藤祐基
    • 学会等名
      日本心身医学会北海道支部第41回例会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2016-02-28 – 2016-02-28

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公開日: 2017-01-06  

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