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2016 年度 実施状況報告書

大学生の抑うつ症状、躁症状、不安症状および自閉傾向に関する調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K16506
研究機関北星学園大学

研究代表者

佐藤 祐基  北星学園大学, 社会福祉学部, 講師 (10382532)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード大学生 / 抑うつ / 発達障害 / 自殺念慮 / 躁症状 / 不安 / 自閉傾向 / レジリエンス
研究実績の概要

本研究は,大学生を対象に抑うつ症状,躁症状,不安症状および自閉傾向の実態を調査し,相互の関連について検討することを目的としている。
2016年度は、本調査を実施し、北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州の各地方から13大学(国公立6校,私立7校)を選別し,アンケート調査を実施し,回答の得られた大学生1,120名(男性433名,女性687名,平均年齢19.84歳,SD=1.79)を本研究の対象とした。調査は,2016年9月から12月にかけて行った。調査票には,①簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)(藤沢ら,2010),②躁病エピソード診断スクリーニング質問表(MEDSCI)(稲田ら,2012),③Zung不安自己評価尺度(SAS)(岡村ら,1991),④自閉症スペクトラム指数日本語版(AQ-J)(若林,2003),⑤二次元レジリエンス尺度(平野,2010)を用いた。各尺度間において,ピアソンの積率相関係数を算出した。p<0.05かつ相関係数>.30を満たす場合を「意味のある相関がある」と判断すると,QIDS-J-SAS(r=.44,p<.001),QIDS-J-AQ-J(r=.36,p<.001)において,有意な正の相関を示した。また,QIDS-J-レジリエンス(r=-.34,p<.001),AQ-J-レジリエンス(r=-.58,p<.001)において,有意な負の相関を示した。QIDS-JとSASの間,QIDS-JとAQ-Jの間にある正の相関関係から,大学生においては,抑うつ症状のスコアが高ければ,不安症状と自閉傾向のスコアも高い傾向があると考えられる。また,QIDS-Jとレジリエンスの間,AQ-Jとレジリエンスの間の負の相関関係から,大学生では,抑うつ症状および自閉傾向のスコアが高ければ,レジリエンスのスコアは低い傾向があると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに全国調査を2016年9月から12月にかけて実施できた。調査は,北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州の各地方から13大学(国公立6校,私立7校)を選別し,各大学の教員に依頼し,講義時間内に実施された。回答の得られた大学生1,120名を分析対象とした。分析結果の一部について,学会発表(口頭発表)を行った。

今後の研究の推進方策

全国調査によって得られたデータの分析を進め,研究成果について,学会での発表,論文投稿を行い,一連の研究成果を公表する。
今後の分析の手順は,(1)大学生の抑うつ症状,躁症状,不安症状および自閉傾向の関連をさらに多面的に検討するとともに,各症状と自殺念慮の関連を検討する。(2)すでに本研究と同様の質問紙を用いて収集された小・中・高校生のデータ(井上・佐藤ら,2013)と大学生のデータを比較検討する。

次年度使用額が生じた理由

当初,計画していた外国での学会発表から,地元開催の学会発表(北海道児童青年精神保健学会)へと変更したため,2016年度には「旅費」の一部と「英文校閲代」を使用しなかった。

次年度使用額の使用計画

当初の予定では,英語での論文投稿は1本であったが,これを2本に変更し,「英文校閲代」11万円(業者:エディテージ),及び「論文投稿料」8万円を増額する。また,学会参加の件数を当初の計画より,1件(日本精神衛生学会第33回大会)増やすため,「国内旅費」8万円を新たに計上する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大学生の抑うつ症状および自閉傾向に関する調査研究2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤祐基,井上貴雄,田実潔,傳田健三
    • 学会等名
      北海道児童青年精神保健学会第41回例会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌市)
    • 年月日
      2017-02-05 – 2017-02-05

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公開日: 2018-01-16  

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