研究課題
平成30年度は平成29年度に引き続き、日本人若年女性の身体不満の要因を特定するために1)生活環境や社会的価値観、健康や体格に関する情報元に関する質問項目と妥当性が報告されている複数の尺度によるアンケート票、2)食物摂取頻度調査(FFQ)、3)性格特性検査、4)3日間の活動量計と身体活動記録による身体活動調査、5)43項目におよぶ身体計測、そして5)多周波生体電気インピーダンス計(MFBIA)と腹部脂肪計を用いた体組成測定を実施し、目標としていた100名を超える被験者からのデータ収集を行った。収集したデータをPCに入力後クリーニングを行い、全ての調査内容に参加して解析条件を満たした100名(平均年齢19.1±1.4歳、平均身長158.9±5.2 cm、平均体重53.0±6.6 kg)を対象に解析を行った。全体の平均として、自己申告の身長と体重は実測値と有意差は見られなかったが、理想とする身長は現在よりも約2 cm高く、理想の体重は現在よりも約4 kg軽かった。また体重のみでなく現在と理想とする体格には有意(p<0.01)な違いが確認され、調査した被験者全体として、体重が軽くよりスリムな体型を希望していることが示された。さらに身体部位別の身体不満についても、特に大腿部と腹部に対する不満が高いことが示された。一方で、実測の身長と体重から算出したBody Mass Index (BMI)や体脂肪率(%BF)の平均値は21.0±2.3 kg/m2と28.1±4.5%と標準範囲内であるにもかかわらず、自分自身の体格を「太っている」、体脂肪率を「多い」と評価している者が6割以上存在した。被験者が持つ身体不満に影響をおよぼす要因として生活環境、生活習慣、性格特性と身体状況別に群分けを行い身体不満を検証したところ、運動習慣など複数の要因で身体不満に差が生じることが示唆された。
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